とにゃりん。備忘録

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2008年 12月 11日

エマニュエル・パユ マスタークラス

あっ、うちのベランダにもタヌキが!
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。。。







お外観察中のとにゃりんでちけど!
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あ、しつれ〜しました、とにゃりん様〜〜。







10/4に急遽催される事になった、パユのマスタークラスへ行ってきました。
この時間帯なら空いているから、とアプローチがあったそうです。
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場所は、新宿のパウエル。
受講生は、3名。











聴講後立ち寄った上野公園の銀杏並木。
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1曲目。
シューベルト/アルペジョーネ・ソナタより1楽章
ピアノは津田さん。
トップバッターの方、緊張とプレッシャーで大変だったと思います。
その点も指摘された上で、
(1)まず呼吸、ブレスについて
・たくさん吸ってふくらはぎまで息をいれましょう、との事!
よく背中まで入れる、というのは聞きますが、ふくらはぎ。。。
・下に向かってブレスする。つまり、肩のあたりで浅くブレスしない様に、という事ですね。
・唇と喉はヒトにとって弱い部分なので、なるべく開放して力を入れない。
・音が響いている中でブレスをすれば目立たない。
など。
(2)姿勢について
・上半身、特に上半身の上部、、、肩とか腕ですかね〜、、、には力をいれない。
いい音が出りゃ力が入ってたっていいじゃん、ということなかれ。
長時間、長期間そんな姿勢でやっていたら破綻がきてしまいます。
ふむ。
(3)良い響き・音について
・「眉間に響きを感じる様に吹くといい」そうです。
へ???と思いましたが、
おそらく口先ではなく眉間のあたりから頭に抜ける様なイメージということかと。
とにかくよく響く音をだすためにただ漫然と吹くのでなく常にいい音をイメージする、という事なんでしょうね。
必死になると、いい音色で音楽を奏でるのでなく、ただただ楽器に口を当ててバウバウしてるだけの時がありますからね〜(爆)。
(4)アルペジョーネ・ソナタについて
・「メランコリック」な曲であることをイメージして演奏すること。
・付点四分音符+八分音符のパターンで陥りやすいこと。(55小節のあたり)
 つっぱったカタイ感じになるので、ピアノがこのフレーズを弾く時の手の様に丸く。
 舌でなく空気でフレーズをつくる。
 軍隊調でなく雪が柔らかく降る様に。
など。

最後の方は本来ののびやかな音も出てきた様でした。
「はじめは粗探しをする敵の様に感じられた聴衆も、今はもう仲間でしょう?」と、パユ様もにっこり^^。








2曲目。
プロコフィエフ/ソナタより1楽章&4楽章。
つい最近、かの国際コンクールで優勝したG大の1年生。
日本人では、かつて、工藤さん、佐久間さんが優勝、高木さんが3位入賞しましたね。
今回は勇哉くんに玲奈ちゃんもエントリーしていた模様。
、、、と閑話休題。
うちのオケの王子と同い年。(王子は普通高から音高に入り直したので1年遅れです)
そんなこんなで、初めて聞くし、興味しんしん!
ピアノは内門くん。
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何しろドラマチックな演奏。
コンクールの時も拍手が鳴り止まなかったといのもうなづけるアピール度。








黄金色。
今年は台風が少なかったので葉が落ちずにこうやって紅葉が楽しめるんだそうです。
ありがたや。
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(1)奏法についてなど
4楽章は、ほぼドラマティックな演奏でいけるかも、ということで、おいといてもっぱら1楽章について。
これは先のシューベルトと違って「ノスタルジック」なイメージで。
でだしは特にアーティキュレーションの記述もないので、途中で音を膨らませたりしないこと!
楽器を十分に鳴らす事ができる力があるので、それをコントロールする事も大事。
全部吹きすぎないこと。
fはfであってffではない。
シンプルに伸ばす音、レガート奏法について多少癖がある点を指摘。
拍のたびに口で音をつくっている感があり。
吹いている途中でレガートの質を変えない事。
そうやって吹いているとテンポもだんだん遅くなる。
ピアノもそれに合わせてくれるので遅くなる。
結果思いがけない遅さになる!
ディミヌエンドの最後の方は音を手放すのではない。
pやmpもただ小さくフーと吹くのでなく丁寧にタァ〜ンと吹く事。
(2)ヴィヴラートについて
ヴィヴラートをかける、という事は音の圧力が変わる事なので、デリケートな箇所では注意すること。
1楽章の最後はいらない。
(3)姿勢について
右側があがり気味なのはよくない。
これは彼自身こだわりがある姿勢らしいのでこれからどうするのかな?
(パイパーズの優勝インタビュー参照)

練習番号2と3のあたりは
「音痴なお母さんが子どものために歌っている子守唄」のイメージだそうな。
練習番号4はもっと太鼓が連打するごとく。

など。
むう。








くらくら。
どうやったらこんな風に撮れるのやら。
偶然の産物。
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最後はこれまた木管コンクール2位、ベガコンクール優勝のG大の院生の方。
バッハのソナタA-dur。全楽章。
ピアノは引き続き内門くん。
開口一番。
「バッハは難しいですよね」
彼女が入りを間違える事数ヶ所、めくりに失敗して楽譜を派手に落として中断した、とかそういう点について言及したのではない事は確か^^;。
バッハは、テレマンよりも後の時代の作曲家。
当時は画期的な音楽だったでしょう。
バッハが今生きていればきっとこんな音楽を書いていたでしょう。
(と言ってハチャメチャな現代風即興演奏曲を吹く)
だからもっと生き生きと吹きましょう、とパユは言いたかったのだと思います。
シロウトが聞いても漫然とした演奏でしたから。
単なる憶測ですが、彼女はあまりバッハが好きでなく、レッスンで何とかしてもらいたかったのでは?などと^^;;。
バッハの音楽はとても人間的な音楽。
お酒に例えると、風味・味わいのある香りの良いお酒。
ひとつひとつの音をきれいに吹くことにとらわれずに。
反復が多いが、それをたんたんとこなすのでなく。
楽譜に書いていないからと言って何もやらないのでなく。
バロックフルートは、現代の楽器の様にパワーがある訳ではないので、極端な表現は避けるべきだが、エスプリや人間味は出す!
(そういえば↓ラ・フォンテーヌはエスプリと人間味に満ちあふれていましたねえ^^)
ただ長くのばす音さえも、少し強さのある音から入って弱めにおさめる、とか。装飾をつけるとか。
先のプロコフィエフで楽譜に書いていない不必要な表現を排除していたのと対照的^^;。
また、バロックはノン・ヴィヴラートで、というのは根拠がない。
これについて、レッスン時間の大半を使って具体的に説明^^;。
1900年初頭の録音は、何故ソリストの音だけにヴィヴラートがかかり、オケがノンヴィヴラートで残っているか?
ソリストのみが大きなコーンの中で演奏→レコードに直接書き込み。バックの伴奏隊はあまり聞こえなかった。つまりヴィヴラートをかけていてもあまり録音に表われなかった、みたいな説明。
奏法については、やはりブレスについて。
浅いこと、息を吸う時にブレス音がすることなどについて注意を受けていました。
「26小節しか進みませんでしたが、6小節で終わったマスタークラスもあったから」という訳で終了。
むむ。









通訳は金井康子さん
パユとは来日のたびに飲んだりしていて、ツーカーなので、適切すぎるぐらいの訳で痛快でした。
彼女のたたずまいとか笑顔とかステキです。
マスタークラスの様子はブログにて。
受講者のシャシンも掲載されています^^。
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ハンマースホイ、観ようと思ったのですが、
入り口のベンチに座って観察していたところ、平日なのにすごい混み様。
絵はがきだけ買って退散しました^^。







レオナール・フジタ。
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、、、が抱いている猫さん。







こんな茶巨検対象のお方。
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高みから見下ろすこの方。
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、、、などを見ていたらとにゃりんに会いたくなって急ぎ帰りました^^。






ここからの眺め、好きです。
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上野のパンダ口です^^。








夜、個人練習でバッハやプロコフィエフを吹いてみたことはナイショでち!

by tnysatcmo | 2008-12-11 05:56 | コンサート・ライブ


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